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系統用蓄電池について・・・ | 武蔵ロジスティクス株式会社

レポートコラム:電力系統を支える縁の下の力持ち - 系統用蓄電池の現在と未来

近年、私たちの生活に欠かせない電力。その安定供給を陰で支える重要な技術の一つが「系統用蓄電池」です。普段はあまり意識されることのない存在かもしれませんが、再生可能エネルギーの普及や電力系統の安定化において、その役割はますます大きくなっています。今回は、そんな系統用蓄電池について掘り下げてみましょう。

なぜ今、系統用蓄電池が重要なのか?

電力系統は、発電所から消費者のもとへ電力を届けるための巨大なネットワークです。従来は、火力発電や原子力発電といった出力が安定した電源が中心でしたが、地球温暖化対策の観点から、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入が世界的に進んでいます。

しかし、これらの自然エネルギーは、天候によって出力が大きく変動するという課題があります。例えば、太陽が出ていない夜間や曇りの日、風が弱い日などは発電量が低下します。この変動を吸収し、電力系統の需給バランスを保つために、系統用蓄電池が重要な役割を果たすのです。

系統用蓄電池の役割とメリット

系統用蓄電池は、電力系統において以下のような役割を担い、様々なメリットをもたらします。

  • 電力需給の調整: 電力需要が低い時間帯に電力を蓄え、需要が高まる時間帯に放電することで、電力の需給バランスを調整します。これにより、電力価格の安定化や、電力系統の安定運用に貢献します。
  • 再生可能エネルギーの出力安定化: 太陽光発電や風力発電の出力変動を吸収し、電力系統への接続を容易にします。これにより、再生可能エネルギーの導入拡大を後押しします。
  • 周波数制御: 電力系統の周波数を一定に保つための微調整を行います。これにより、電力系統の安定性を高め、大規模な停電を防ぐ効果が期待できます。
  • ブラックスタート: 大規模な停電が発生した場合、外部からの電力供給なしに発電所を起動させるための電源となります。これにより、早期の電力復旧に貢献します。
  • 電力系統の増強抑制: ピーク時の電力需要を抑制することで、新たな発電所や送電線の建設を遅らせたり、規模を小さくしたりすることができます。

様々な種類の系統用蓄電池

系統用蓄電池には、様々な種類のものが開発・実用化されています。代表的なものとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • リチウムイオン電池: スマートフォンや電気自動車などにも使われている、エネルギー密度が高く、充放電効率の良い電池です。比較的小規模な系統用蓄電池として広く採用されています。
  • ナトリウム硫黄電池: 高温で作動する電池ですが、長寿命で大容量の蓄電が可能です。大規模な系統用蓄電池として実績があります。
  • レドックスフロー電池: 電解液を循環させて充放電を行う電池で、長寿命で安全性が高いという特徴があります。大規模な系統用蓄電池としての導入が進んでいます。
  • 全固体電池: 電解質に液体ではなく固体を用いた電池で、安全性やエネルギー密度の向上が期待されています。今後の実用化が注目されています。

日本における系統用蓄電池の現状と展望

日本は、再生可能エネルギーの導入目標を掲げており、その実現に向けて系統用蓄電池の導入を積極的に進めています。特に、太陽光発電の導入量が多い地域を中心に、出力変動対策として系統用蓄電池の導入が進んでいます。

経済産業省の支援のもと、様々な実証実験や導入支援策が実施されており、技術開発も活発に行われています。今後は、更なるコスト低減や長寿命化、安全性向上といった技術革新が進み、系統用蓄電池の普及が加速していくと予想されます。

まとめ

系統用蓄電池は、再生可能エネルギーの普及を支え、電力系統の安定化に不可欠な技術です。私たちの快適な生活を陰で支える縁の下の力持ちとして、その重要性は今後ますます高まっていくでしょう。次世代の電力システムを考える上で、系統用蓄電池の動向に注目していく必要があると言えるでしょう。

執筆:[武蔵ロジスティクス株式会社 太陽光事業グループ]

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