派遣社員が仕事を「バックレる」とどうなる?無断欠勤のリスクと正しい対処法を徹底解説
- コラム
はじめに
「バックレたい」と思ったあなたへ。仕事に行くのがつらい、もう連絡も取りたくない、と考えることはありませんか?派遣社員として働く中で、何らかの理由で仕事に行きたくない、このまま無断欠勤してしまおうかと不安に感じることもあるかもしれません。しかし、安易な行動が招く大きなリスクがあることを知っていますか?このコラムは、派遣社員として働くあなたがもし「バックレたい」と感じたときに、無断欠勤の危険性と、それに代わる適切な対処法を知ってもらうために書きました。正しい知識を持つことで、後悔のない選択ができるよう、この記事で無断欠勤の危険性と適切な対処法を知り、あなたのキャリアを守るためのヒントを得てください。
派遣社員の「無断欠勤(バックレ)」が招く4つのリスク
派遣社員が仕事を無断欠勤、いわゆる「バックレる」という行為は、一見簡単に見えても、その後に大きな問題とリスクを伴います。無断欠勤が招く具体的なリスクについて、詳しく解説していきます。
リスク1:給与が支払われない、損害賠償を請求される可能性
無断欠勤の場合、その期間の給与は当然ながら支払われません。それだけでなく、派遣会社や派遣先企業から損害賠償を請求される可能性も発生します。これは、無断欠勤によって企業が被った損失を補填するためのものです。損害賠償請求とは、民法に基づき、相手に損害を与えた場合にその賠償を求めることです。実際に起こりうるケースとしては、例えば、あなたの突然の欠勤により、派遣先企業が予定していた業務を遂行できなくなり、その結果として売上が減少したり、他の従業員があなたの業務をカバーするために残業が発生したりするなどが挙げられます。無断欠勤によって会社が被る損害は、単なる日当だけでなく、代替要員の確保費用、遅延損害、機会損失など、多岐にわたります。特に、専門的な職種や重要な業務を担当していた場合、その損害額はかなり高くなることがあります。過去には損害賠償請求が認められた判例も存在するため、決して軽視できる問題ではありません。
リスク2:派遣会社からの信頼を完全に失い、今後の仕事紹介がなくなる
無断欠勤は、派遣会社との信頼関係を完全に破壊する行為です。信頼を失うことで、今後その派遣会社から新しい仕事を紹介してもらえる可能性はほぼゼロになるでしょう。これは、単にその派遣会社に登録抹消されるだけでなく、あなたの勤務状況や対応に関する情報が派遣会社の社内で共有され、今後の仕事探しに大きな影響を及ぼすことになります。また、人材派遣業界内での悪評が広まる可能性も否定できません。特に大手派遣会社の場合、過去のトラブル情報はデータとして残りやすいため、別の派遣会社に登録しようとしても、情報が共有されることで転職活動が非常に不利になることがあります。一度失った信用を取り戻すのは非常に難しいということを理解しておく必要があります。
リスク3:派遣先企業や同僚に多大な迷惑をかける
あなたの無断欠勤は、派遣先企業とそこにいる同僚に直接的かつ多大な迷惑をかける行為です。予定されていた業務が滞り、他の従業員があなたの分の業務をカバーすることになるため、彼らの負担が大幅に増加します。突然の欠勤が引き起こす問題は、業務の遅延や質の低下だけでなく、チーム全体の士気の低下にもつながります。工場などの現場で働く場合、あなたの欠勤が生産ライン全体に影響を及ぼし、企業全体に大きな損害を与える可能性もあります。従業員間の人間関係にも悪影響を及ぼし、あなたが戻ることを望まないという声があがることも少なくありません。また、派遣先企業と派遣会社との関係性にも悪影響を与え、派遣会社としての信用問題にも発展しかねません。
リスク4:社会的な信用を失う可能性
無断欠勤は、個人の社会的な信用にも関わります。再就職活動を行う際、職務経歴に空白期間ができるだけでなく、前の職場で無断欠勤をしたという事実が判明すれば、採用担当者からの評価は非常に悪くなります。ほとんどの企業は、無断欠勤をした人に対して良い印象を持ちません。また、最近ではSNSなどで個人情報の一部が拡散されるリスクもゼロではありません。特に、個人が特定できるような情報が不用意にシェアされてしまうと、その後の生活やキャリアに深刻な影響を及ぼす可能性も考えられます。一度失った信用を取り戻すには、長い時間と労力がかかります。
なぜ「バックレてしまう」のか?無断欠勤のよくある理由と心理
多くの人が「バックレてはいけない」と頭では分かっていても、なぜ無断欠勤を選んでしまうのでしょうか。そこには、さまざまな理由と複雑な心理が隠されています。あなたの状況と重なる部分があるかもしれません。
仕事が合わない、人間関係の悩み
派遣の仕事内容が想像と違った、スキルが合わない、あるいは職場の人間関係がうまくいかないといった悩みは、無断欠勤に繋がる大きな原因の一つです。特に、パワハラやハラスメントを受けている場合など、職場環境が悪く、毎日出勤するのが精神的に苦痛になってしまうケースは多いです。派遣先で発生する問題は、自分一人で抱え込みがちですが、派遣会社に相談すれば改善される可能性があります。もし、今あなたがこのような状況にいるなら、一人で悩まずに派遣会社の担当者に連絡する選択肢を考えてみてください。
精神的な不調や体調不良
過度なストレスや疲労から、精神的な不調や体調不良に陥り、どうしても出勤できないという状況に陥ることもあります。朝起き上がれない、体がだるい、といった症状が出始めたら、それは休むべきサインかもしれません。病気や事故など、やむを得ない事情で連絡が取れないケースももちろんあります。しかし、そうでない限りは、どんなに体調が悪くても派遣会社に一報を入れることが大切です。医師の診断書を提出することで、休職などの手続きが可能になる場合もあります。
プレッシャーや責任感からの逃避
新しい仕事や慣れない環境でのプレッシャー、あるいは任された仕事への責任感から逃れたいという心理が働くこともあります。特に、完璧主義な人ほど、期待に応えられないと感じたときに、どうしていいか分からなくなり、連絡を絶ってしまう傾向があります。周りに迷惑をかけたくないという気持ちが強いがゆえに、かえって大きな問題を引き起こしてしまうのです。
連絡が面倒、誰にも会いたくないという心理
無断欠勤の最も直接的な原因として、「連絡が面倒」「誰にも会いたくない」という心理が挙げられます。特に精神的に追い詰められている場合、電話をかけることすら億劫に感じ、その結果、連絡をせずそのまま仕事を辞めてしまうという選択をしてしまうことがあります。この状況は非常に危険で、後々、大きなデメリットとなって自分に返ってくることを知っておく必要があります。
「バックレたい」と思った時に取るべき正しい対処法
もしあなたが「バックレたい」と感じたら、その感情に流される前に、これから紹介する正しい対処法を試してみてください。無断欠勤をするよりも、はるかにあなたの未来にとって良い結果をもたらすはずです。
手順1:まずは派遣会社に連絡する
どのような状況であっても、まずは派遣会社に連絡することが最も大切です。電話が難しい場合は、メールやチャット、あるいは郵送で書面を送るなど、可能な方法で連絡を取りましょう。連絡する際のポイントと伝えるべき内容としては、現在の状況と、なぜ出勤できないのかの理由(正直に話すのが難しい場合は、体調不良など簡潔に伝えても構いません)、そして今後の希望(休みたいのか、退職したいのか、仕事内容を変更したいのか等)を明確にすることです。連絡を受けた派遣会社の担当者は、あなたの安否を確認し、状況に応じて適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。早めに連絡を入れることで、会社側も代替要員の手配や業務の調整など、対応策を講じやすくなります。
手順2:派遣会社と今後の働き方を相談する
連絡が取れたら、派遣会社の担当者と今後の働き方について詳しく相談しましょう。あなたが休業や退職の意思を伝えた場合、担当者はその手続きの流れや、あなたが受けられる制度(例えば、病気による休職制度など)について説明してくれます。もし、今の派遣先での業務内容や人間関係に悩んでいるのであれば、他の派遣先を紹介してもらえる可能性もあります。派遣会社は、あなたのスキルや希望に合う新しい求人情報を多数持っていることが多いです。転職を考える場合でも、派遣会社に登録していれば、スムーズに次の仕事探しに進むことができます。福利厚生やキャリアサポートについて、詳しく聞いてみる良い機会でもあります。
手順3:どうしても連絡できない場合の最終手段
精神的に追い詰められてしまい、どうしても自分から連絡ができない、電話もメールも返信できないといった極限状態に陥ってしまった場合でも、諦めてはいけません。以下の最終手段を検討してください。
- 家族や友人に協力してもらう:信頼できる家族や友人に、あなたの代理で派遣会社に連絡してもらうことも一つの方法です。その際、個人情報保護の観点から、どこまで情報を伝えていいか、事前に話し合っておく必要があります。
- 労働基準監督署や弁護士への相談(法律相談):もし、会社からのパワハラや未払い給与など、労働問題が背景にある場合は、労働基準監督署や弁護士に相談することを検討しましょう。法律の専門家からのアドバイスは、あなたの状況を改善するための大きな助けとなります。無料の法律相談を行っている弁護士事務所も多いです。
派遣会社は無断欠勤にどう対応するのか?
派遣社員が無断欠勤した場合、派遣会社はどのように対応するのでしょうか。その流れと注意点を知っておくことは、あなたが適切な行動を取るためにも役立ちます。
派遣会社が行う安否確認と本人への連絡
あなたが無断欠勤した場合、まず派遣会社はあなたの安否確認を行います。これは、事故や病気など、何か緊急の事態が発生した可能性も考慮するためです。電話やメールで連絡を試みるのはもちろん、場合によっては自宅への訪問を行うこともあります。これらの連絡に一切応じない場合、派遣会社としてはあなたの安全を心配し、また業務上の問題が発生するため、関係者からの情報収集や緊急連絡先への問い合わせも行います。この段階で、あなたが意図的に連絡を絶っていると判断されると、事態はより深刻になります。
派遣先への報告と対応
派遣会社は、あなたが無断欠勤した旨を速やかに派遣先企業に報告します。派遣先企業は、あなたの不在により業務に支障が出るため、代替要員の手配や業務の調整を行う必要があります。この際、派遣会社と派遣先企業の間で、今後の対応について話し合いが行われます。無断欠勤が続く場合、派遣先からの契約解除を求められる可能性も高まります。
無断欠勤が続く場合の会社の動き
無断欠勤が数日続くと、派遣会社はあなたへの連絡をさらに強化します。内容証明郵便を送付したり、解雇予告通知書を送る準備を進めたりすることもあります。一定期間(一般的には14日〜30日程度)無断欠勤が続くと、最終的には解雇という厳しい判断が下されることになります。解雇となると、履歴書に記載が必要となり、今後の転職活動に非常に不利になります。
解雇となるまでの流れと注意点
無断欠勤による解雇は、通常、就業規則に定められた「懲戒解雇」に該当します。この場合、退職金が支払われない、失業保険の受給開始が遅れるなどのデメリットが発生する可能性があります。また、会社から貸与されていた制服や備品などがある場合、それらの返却を求められます。解雇となる前に、派遣会社からの連絡には必ず応じ、誠意ある謝罪と説明を行うことが大切です。そうすることで、まだ状況を改善できる可能性が残されます。どのような事情があったとしても、無断欠勤は避けるべき行為であるという点を、再度認識してください。
「バックレる」前に知っておきたいこと
もし「バックレたい」と感じているなら、その感情に流される前に、立ち止まって考えてほしいことがあります。あなたが抱えている問題は、きっと解決できる方法があるはずです。安易な行動に出る前に、ぜひ以下のことを参考にしてみてください。
無断欠勤する前にできること(事前の相談、辞め方)
無断欠勤をしてしまう前に、できることはたくさんあります。最も重要なのは、事前の相談です。派遣会社には、あなたの担当者がいます。仕事の悩み、人間関係のトラブル、体調不良など、どんな小さなことでも構いませんので、まずは担当者に連絡し、相談してみてください。多くの派遣会社は、スタッフが安心して働けるよう、さまざまなサポート体制を整えています。辞めたいと考えている場合でも、適切な退職手続きを踏むことで、不必要なトラブルを避けることができます。突然辞めるのではなく、事前に退職の意思を伝え、引継ぎ期間を設けるなど、円満な退職を目指しましょう。
他の解決方法を考える:キャリアの方向転換、職種変更
今の仕事がどうしても合わないと感じるなら、キャリアの方向転換や職種変更も視野に入れてみましょう。派遣の仕事は多種多様で、事務職、IT系のエンジニア、製造業の工場作業員、営業職など、さまざまな職種があります。派遣会社に相談すれば、あなたのスキルや経験、今後の希望を考慮して、新しい職種や職場を紹介してもらえる可能性が高いです。例えば、「ジモクル」のようなサービスも活用できます。ジモクルでは、自宅から近い職場を紹介し、通勤時間を短縮することでストレス軽減にもつながります。柔軟な勤務時間や残業なしの職場も紹介しているので、プライベートとの両立も考えやすいでしょう。未経験者歓迎の求人も多く、資格不要な仕事も豊富にあるため、新しい分野へのチャレンジも支援しています。多様な仕事を提供しているので、あなたのニーズに合った仕事がきっと見つかります。
まとめ
大切なのは、一人で抱え込まずに相談することです。派遣会社には、あなたの状況を理解し、解決策を一緒に考えてくれる担当者が必ずいます。今の職場に悩みがあるなら、それを派遣会社に伝え、改善の余地があるか、あるいは別の派遣先への異動や、新しい職種への転職ができないか、積極的に話し合いましょう。正しい手続きを踏んで退職する、あるいは現在の状況を改善するためのサポートを受けることで、あなたは安心して次の仕事へスムーズに進むことができます。
執筆者:家チカで働こう! ジモクル
(武蔵ロジスティクス株式会社 人材サービスグループ)
宮崎 純一
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